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魔法使いとトリコロールの猫。

ヘルミーナとクイズが好きなウィズッター(Twitter: @hermina_quiz)。「黒ウィズは3色パネルを踏んでこそ!」と思ってます。Twitterでは主にウィズのことをつぶやいておりますが、こちらでは主に日常の話を呟こうかと思ってます。

いつか 〜Another Story〜

※以下はSSです。初めて(しかも夜中に)書いたので、ヘタかもしれません。そこは大目に見てくだされば幸いです。



「少しずつ街も寒くなってきた頃だと思いますが、皆様、お如何お過ごしでしょう。風邪など引いていないことを願っています。ここクロムマグナ魔道学園も、冬の匂いが校庭を通り抜け始めるようになって参りましたが、私は元気に過ごしています。ご安心を。

さて、この前の話ですが、私は来年の春には戻る予定です。この学園に来て、私はいろんなことを学ぶことができました。多くの守るべき友達ができました。ですが、常に思わずにはいられないのは、我が国民のことです。

ついこの前、学園を多数の魔物が襲撃してきました。当然、今こうして手紙を書いているわけですから無事だったのですが、学園と友を守るために戦ううちに、ふとあなた方の姿が頭をよぎりました。あの嵐の日に私を救ってくれたのは、他でもないあなた方。これからは、逆に、私には、あなた方を守る義務がある。そのためにも、今ここで負けるわけにはいかない。ここで負けるようではあなた方領民を守れるはずがない、と。

それでは、くれぐれもお身体にはお気をつけて。


恐らく、検閲でこの手紙を見たのだろう。私は学園長室に呼び出された。
「手紙なら読ませてもらったよ。薄々そんな気はしていたが、本当に帰るつもりなのだな、ヘルミーナ君。」
「ええ。この学園では多くを学ばせて頂いたわ。ここにいた日々はとても楽しくて、それ故にもっと長居したい気持ちもあるけど、領民のことを考えると国に帰らなければと思ったの」
「フン。まったく、俺たちに相談せずにそんなことを決めるとはどこまでも生意気な小娘だ。……だが、芯の通ったところ、決して嫌いではなかったぞ。修業年数には達していないが、事情と優秀な成績を修めていることを鑑みて、特例で来年の春での卒業を認めるつもりだ。今後も、ここでの経験を活かして活躍してくれ。……それと、いつかお前の国に行くことがあったら、そのときは私を思い出してほしい」


それからどれほどの月日が流れただろうか。私は退位し、海の見える別荘で老後を過ごしていた。
「ヘルミーナ様、浜辺で花火大会が行われているようですよ、見てみませんか」
そう言われて窓の外を見たときだった。
「……あれ、変な形の花火ですね」
「懐かしいわね……」
私は、クスッと笑ってそう言った。ダンケル学園長の形をした花火が打ち上げられていたのだった。